毛孔性苔癬について、知っていますか?

毛孔性苔癬の原因、治療法から薬まで

毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)という病名を聞いたことがありますか。何やら難しげで、聞き覚えがない人も多いことでしょう。
でも、二の腕や太ももなどに無数のブツブツができて、ザラザラした感じがある症状は、ありふれたもので、少なからず目にしたことがあるのではないでしょうか。

 

苔癬とは、一定の範囲内に苔のようにブツブツが集まっているもので、毛穴にこの苔癬ができているので、毛孔性苔癬という名前がついています。
このブツブツの正体は、皮膚の一番外側にある表皮を構成する角質細胞が、生まれてから剥がれ落ちるまでの過程(角化)において異常を起こし、剥がれ落ちずに毛穴に溜まって、毛穴の出口周辺が厚くなっているものです。

 

角化異常の症状なので、毛孔性角化症(もうこうせいかくかしょう)または毛嚢性角化症(もうのうせいかくかしょう)とも呼ばれています。

 

ニキビのように、毛穴に詰まった皮脂が、細菌を増殖させて炎症を起こしたものではないので、痛みやかゆみなどの自覚症状はほとんどありません。
二の腕や太ももの他に、肩、背中、お尻などにもできます。
人種、性別の区別なく、小児期から発症し、思春期に目立ってきます。
年を重ねていくと自然に消失すると言われていましたが、目立たなくなっても、完全に消えてしまうことは少ないようです。

 

この病気の原因は、まだ明らかにされておらず、遺伝性のものと考えられていますが、同じ兄弟でも発症する人としない人もおり、代謝異常や皮脂腺や汗腺の異常などの影響も考えられます。
また、毛孔性苔癬を発症する家系には、太り気味の体型の人が多いとも言われます。

 

ザラザラした感触やツブツブのある見た目を気にして、皮膚科を受診しても、特にこれといった効果のある治療法は、まだ確立されていません。
健康上の問題はなく、年を重ねれば自然に治るとされているので、積極的に治療に取り組んでもらえないこともあるようです。
皮膚科で処方されるのは、一般的に、尿素軟膏やサリチル酸ワセリン軟膏などの角質溶解や保湿の作用がある外用薬です。対処療法としての治療なので、効果が見られたとしても、薬の使用を止めるとまた症状が戻ってしまうということもあります。
美容皮膚科や美容外科では、他の肌トラブルに対しても用いられるレーザーやケミカルピーリングなどの肌を再生する治療によって、個人差はありますが、ある程度の効果が見られるようになりました。


 
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