毛孔性苔癬を知っていますか?

尿素軟膏について

二の腕や顔、お尻、背中などに赤いブツブツができる毛孔性苔癬は、皮膚のいちばん外側にある角質が異常に厚くなる角化症の一つです。

 

毛孔性苔癬の治療薬として代表的なものが、尿素軟膏です。
尿素軟膏は、特定の薬の名前ではなく、尿素を10〜20%含有している薬の総称で、製品名としては、ケラチナミン、ウレパール、パスタロンなどがあります。
尿素は、その名が示す通り、人間の尿に含まれている成分です。
尿の成分として、一般的に知られているのは、アンモニアですが、アンモニアは有害な物質なので、安全な尿素という成分に変えて体内に溜め、さらに尿として排出されているのです。

 

尿素は、角質層の中で水分を吸収し、それを保持するNMF(天然保湿因子)の主成分の一つでもあり、水素結合により水となじみやすい親水性を持っています。
そのため、尿素軟膏は、角質の水分を逃がさず、肌の中にとどめて、乾燥を防ぐ保湿剤として、その力を発揮するのです。ドラッグストアの店頭に並んでいる保湿用のハンドクリームなどに、尿素配合と表示したものが多いのも頷けますね。

 

さらに、尿素には、たんぱく質の構造を壊し、溶かし出すという性質もあるので、厚くてかたくなった角質を取り除いて、皮膚の状態を改善する作用が期待できます。
尿素軟膏には、これら尿素の角質の水分保持増加作用と溶解剥離作用によって、毛孔性苔癬のカサカサした肌の乾燥を防ぎ、角化した症状を和らげるという働きがあるのです。

 

尿素は、もともと人間の体内にある成分なので、安全性が高いものです。しかし、どんなに効能の高い薬でも副作用が全くないということはありません。
尿素軟膏では、塗った所にピリピリした感じや痛み、紅斑、かゆみなどを起こすという副作用が現れることがあります。尿素が水分を引きつけることで生じる圧力により刺激を感じたり、その刺激によりかゆみを感じたりするようです。
回数や使用期間など、必ず指示された使用法に従って、正しく使用することが大切になります。

 

尿素軟膏は、水分と結合することで、保湿効果を発揮するものなので、入浴後の水分をたっぷり含んだ状態の肌に塗るのが良いでしょう。また、入浴後の肌は、皮脂膜がはがれて水分を保持するバリア機能も弱まっている状態なので、できるだけ早く塗って、その効果を高めるようにしましょう。

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